
【政倫審】🚒 誰が点火した?佐野市議会に投げ込まれた、火元不明の”意見書” 第一夜「火種」

こんにちは、鈴木やすひろです。
9月に入り、朝晩はほんの少し秋の気配も混じってまいりましたが、日中はまだまだ厳しい残暑が続いております。佐野名物のラーメンをすするにも、冷房の風が直撃する席を探してしまう今日この頃ですが、市民の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、私の大好きな佐野ラーメンは「火加減」が命ですが、いま佐野市議会では、「どこから火の手が上がったのかさっぱり分からない、世にも奇妙な火事」が発生しております。
市民の皆様の暮らしを守るべき市議会で、一体いま何が起きているのか。
少々込み入ったお話ではございますが、市政の透明性を願う一市民、そして元市議の立場から、何回かに分けてできるだけ分かりやすく、その「舞台裏」を紐解いてみたいと思います。
今夜はその第1夜、【火種】でございます。
CONTENTS
そもそも「佐野市議会政治倫理審査特別委員会(政倫審)」とは何か?
まず、今回の舞台となっている「政治倫理審査特別委員会(通称:政倫審)」について、簡単におさらいをしておきましょう。
佐野市議会には「佐野市議会議員政治倫理条例」という大切なルールがございます。
議員が市民の信託に応え、清廉潔白に、品位を保って職務を果たしているかを律するためのものです。
もし「この議員の行動は、倫理基準に違反しているのではないか?」という重大な疑義が生じた場合、議員定数の一定数以上の連署をもって審査請求を行い、議会の議決を経て設置されるのが「政治倫理審査特別委員会」です。
いわば、「議員自身が襟を正すための、議会内における最も厳格な自浄装置」と言っても過言ではありません。
今回の審査対象となっているのは、現職の小倉議員です。
事の発端は、今から3年前——2023年秋に行われた消防団の研修懇親会の席上において、小倉議員と消防団関係者との間で「感情的な口論や接触トラブル」があったとされる件です。
「なぜ3年も前の話を今さら?」と思われる市民の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、このトラブルについて議会側が説明や確認を求めてきたにもかかわらず、今日に至るまで当事者による納得のいく説明責任が果たされてこなかったこと、そして議員としての品位を損なう言動があったのではないかという疑義から、市議10名によって正式に審査請求が出され、9月定例会において本委員会が設置される運びとなりました。
ここまでは、議会制民主主義における極めて正当な自浄作用の手続き……のはずでした。
事件(怪異)が起きたのは、まさにこの委員会設置を議決しようとしていた、9月4日の本会議の直前のことです。
9月4日、開会「直前」の怪異
時計の針を、9月4日の午前9時50分に戻しましょう。
本会議の開会ベルが鳴る、わずか10分前のことです。
議会運営委員会もとうに終え、各議員が議場へと向かう緊迫した空気の中、議会事務局へ「突如として投げ込まれた2通の文書」がございました。
差出人の名義は、佐野市消防団の「団長」と、当時当事者であったとされる「元分団長」。
タイトルは、小倉議員に対する政治倫理審査請求への「抗議」ならびに「意見書」です。
議員控室は一瞬にして蜂の巣をつついたような大騒ぎとなりました。
「えっ、開会10分前に意見書!?」
「消防団から!? 一体どういうことなんだ!?」
長年議会に関わってきた私にとっても、これはまさに前代未聞の光景です。
通常、市民や団体から議会に対して正式な陳情や意見を提出する場合、きちんとした手続きと審査期間を経て、事前に議会運営委員会等で取り扱いが協議されるのが筋というものです。
ところが、この意見書は開会ベルが鳴る直前の議場へ電撃的に滑り込んできたのです。
まるで、「政倫審の設置という議会の時計の針を、なんとしても止めたい」という強い引力が働いたかのような、見事なタイミングでございました。
誰が点火したのか? 火消しが火種になるパラドックス
ここで、冷静にこの光景を眺めてみたいのです。
消防団の皆様といえば、昼夜を問わず佐野市民の生命と財産を守るため、火災や水害の現場で献身的に汗を流してくださっている、街の誇りであり守護神でございます。市民が火を出せば、命がけで火を消しに駆けつけてくださるのが消防団です。
その消防団の幹部名義の文書が、あろうことか「議会の中に新たな火種を投げ込む」形になってしまった。
しかも、新聞報道などを拝見しますと、事態はさらに不思議なねじれを見せております。
意見書を出された側は「なぜ3年前のことを蒸し返すのか」「議会内の対立や報復に巻き込まれた」「騙された」と憤りを語っておられると報じられています。
一方の議会側では、「いやいや、なぜ開会10分前に突然こんな文書が飛び出してくるのか」「誰がこのタイミングで動かしたのか」と首を傾げている。
……あれれ? と思いませんか。
審査を求める側も、求められる側も、そして意見書を出したはずの当事者さえも、誰もが「自分たちは巻き込まれた」「利用された」と口を揃えているのです。
では一体、この意見書という名の火種に点火したのは誰なのでしょうか?
火を消すはずの消防団の尊いお名前が、なぜか議場の真ん中で最大の火種としてくすぶり、関係者全員が「煙たい、煙たい」と目をこすり合っている。
まさに、火元がどこにも見当たらない「世にも奇妙な議会の怪火」でございます。
次回予告:
もちろん、市民や団体が議会に対して意見を述べること自体は、憲法にも保障された正当な権利でございます。
ただ、公開された情報や報道の断片をつぶさに拝見いたしますと、どうにも首を傾げざるを得ない、大変興味深い特徴がいくつも見えてまいります。
なんと言いましょうか、日頃ホースを握り現場に駆けつけておられる消防団の皆様が、いつの間にこれほどまでに高度な法律用語や議会手続きの瑕疵(かし)を緻密に突く「法廷闘争のプロ」になられたのか……。
そのあまりに整然とした筆致と法理の展開には、目を見張るばかりの素晴らしさがございます。
先日の新聞報道(朝日・下野)や市議会議員らのSNS発信など、表に出てきたさまざまな情報をひとつずつ照らし合わせていくと、不思議なことに、バラバラのはずの証言から「ひとつの奇妙な共通点」が浮かび上がってまいります。
次回は、一市民の視点から、公開されているパズルのピースを丁寧に鑑識しながら、この不可解な現象の謎に迫ってみたいと思います。
どうぞ、お楽しみに。
(第2夜へ続く)
鈴木やすひろ

※本コラムは、佐野市議会公式中継・配信、報道各社の公開記事、および議員各位による公の場での発信等の公開情報に基づき、一市民・元市議としての客観的な視点から市政の現状を論評・考察するものです。
