
【政倫審】🚒電撃の「緊急動議」へ!謝罪のはずがまさかの逆ギレ!? 小倉市議に議場が下した「猛省決議」の全真相 第三夜「延焼」

こんにちは、鈴木やすひろです。
前回の第二夜「鑑識」を公開いたしましたところ、市民の皆様から「議会の裏側ってそんなことになってるの!?」「続きが気になって眠れない」と、大変熱い反響をいただきました。いつもお読みいただき、本当にありがとうございます。
さて、私の大好きな佐野ラーメンに例えるならば、注文したラーメンが運ばれてきて、いよいよ「ごちそうさまでした!」と丼を空にしてお会計……という大団円の瞬間に、厨房から突然大爆発が起きて、テーブルごとひっくり返ってスープまみれになってしまったような、前代未聞の事件が起きてしまいました。
本来であれば、本日の本会議(10月1日・定例会最終日)は、3年間にわたり放置され、伸びに伸び切った問題に対し、審査対象となった議員が議場で頭を下げて「一件落着、これにて無事に鎮火!」となるはずの大切な節目でした。
ところが、どうでしょう。
フタを開けてみたら鎮火どころか、自らドラム缶のガソリンをぶちまけて議場全体を大火災に巻き込むという、世にも奇妙な「大延焼パレード」が幕を開けてしまったのでございます。
本会議場で一体何が起きていたのか?
元市議の目線から、その緊迫(そしてちょっぴりズッコケ)のドタバタ劇を、時系列のハイライト形式で分かりやすく紐解いてまいりたいと思います。
CONTENTS
ハイライト①:オープニングの謎 —— 委員長が放った「いわゆる意見書」の5連打
午後、議場に響き渡る議長の宣告により、いよいよ政治倫理審査特別委員会の審査結果報告が始まりました。
登壇したのは委員長を務めた長浜成仁市議です。
報告の内容は極めて明快でした。
- 審査結果:小倉健一議員の行為は、政治倫理条例第4条第6号(品位保持)および第7号(不正疑惑の禁止)に「違反」。
- 必要な措置:本会議最終日に「議場にて謝罪を求める」。
起立採決の結果、委員長を除く7名の委員のうち多数が「違反」と判断し、「議場での謝罪」を求めることが正式に決まったという報告です。
ここまでは、実に整然とした議事進行でございました。
ところが、報告の終盤、委員長の口から突如として不思議なフレーズが連続して飛び出したのです。
「いわゆる意見書に関して一言申し上げます……」
「いわゆる意見書を使用しての審査自体は……」
「いわゆる意見書が本特別委員会の中で取り上げられた際……」
「いわゆる意見書の存在が……」
……皆様、お気づきになられましたでしょうか?(笑)
なんとわずか数十秒のあいだに、「いわゆる意見書」という言葉が怒涛の5連打!
第二夜でお話しいたしました通り、あの開会約10分前に飛び込んできた文書は、特別委員会において正式な審査資料とは認められませんでした。だからこそ委員長は、正式な審査資料と明確に一線を画すために、あえて『いわゆる』という鍵括弧をつけ、会議録という後世に残る公文書にその特異な立ち位置をしっかりと刻み込んだわけでございます。
直前に突如として持ち込まれた出前文書の煙幕には一切惑わされず、しかし「そうした文書の存在によって議場が大きくざわつかされた事実」だけは冷静に記録に残す。なんとも巧妙で、ちょっぴりシュールなオープニングベルでございました。
ハイライト②:謝罪に来たはずの男が、議場で自爆スイッチを押すまで —— まさかの条例違反拒否と他責の逆ギレパレード
委員長報告に対する質疑が「なし」で終わり、いよいよ本日の主役、小倉健一市議が発言を求め壇上へと上がります。
冒頭、小倉市議はこう述べました。
「議会関係者の皆様、市民の皆様にご心配やご不安をおかけし、多大なご迷惑をおかけしたことを心から申し訳なく思っております。深くお詫び申し上げます」
……ここまでは良かったのです。市民の誰もが「ああ、ちゃんと反省して頭を下げたんだな」と思ったことでしょう。
ところが、深々と頭を下げた直後、小倉市議の口から信じられない言葉が飛び出しました。
「その上で、私の行為が政治倫理基準に違反したとの認定につきましては、受け入れることが難しいと考えております!」
……ええええええっ!?(笑)
いま「申し訳ございませんでした」とお詫びした舌の根も乾かぬうちに、まさかの「受け入れることが難しい」と条例違反の認定を事実上全面拒否! まさに自爆スイッチをド派手にポチッと押してしまった瞬間でございます。これには議場にいた議員の皆様も、傍聴席の皆様も、思わず耳を疑ったのではないでしょうか。
さらに驚くべきは、ここから約15分間にわたって繰り広げられた「怒涛の他責パレード」です。
- 「相手から掴みかかってきた! 私は正当防衛だ!」
口論となった消防団の元分団長から掴みかかられ、大声を出したのも接触したのも「身を守るためだった」と主張。 - 「3年前の謝罪文は、当時の議長に書かされた!」
全議員に配られた当時の謝罪文書について、「当時の議長から『不適切な言動があった』と入れろと指示された」「言葉の食い違いという文言を削除された」「当時の議長(=今回の政倫審委員の一人)が委員会で私を庇ってくれると思っていたのに、責任追及ばかりしてきた!」と、前議長(当時の議長)を厳しく批判。 - 「2人の議員が事前に聞き取りをした! これは報復だ!」
例の意見書を盾に取り、「元分団長や消防団長から意見書が出されている」「政倫審の前に2人の議員が元分団長に聞き取りをしたのはなぜか」「なぜ私には同様の聴取がなかったのか」「報復という言葉も含め、どのような経緯があったのか確認する必要があった」と、審査請求を行った議員や委員会そのものに矛先を向ける。
……いやはや、小倉市議が「あの意見書に書かれた経緯をもっと確認・調査する必要があった」と熱弁されたのには、私も画面の前で思わず膝を打ってしまいました。
「おや、小倉議員もそう思われますか? 私もまったく同じ気持ちでございます! ぜひあの意見書に関しては、もっと徹底的に詳しく調べていただきたいですねぇ!」(ニッコリ)
ここで、私の市議としての経験と記憶から、ちょっぴり素朴な疑問を言わせていただきますと……。
本来、議会内で議員各位に資料として文書を配布するには、「確か議長の許可が必要であった」と記憶しております。
今回の小倉市議の釈明では、あの消防団関係者からの意見書が非常に大きなウエイトを占めておりました。だからこそ、元市議としても、一市民としても、あえて首を傾げて確認させていただきたいのでございます。
「あの意見書は、そもそも適正なルールのもとに配布されたものだったのでしょうか?」
「一体どのような経緯で、誰の手によって配布されたものなのでしょうか?」
議員ご本人が壇上でそこまで熱烈に「意見書の経緯を調べろ」と弁明の盾にされたのですから、私としても俄然、大きな興味と知的好奇心がムクムクと湧いてまいりました(笑)。
ご自身がそこまで強く調査をご希望されているのですから、議会の皆様にはぜひとも、あの意見書がどういうルートで誰の手によって作られ持ち込まれたのか、隅から隅まで徹底的に調べて白黒ハッキリつけていただきたいものでございますね。
火を消すために壇上に上がったはずの人が、「反省」どころか、「自分は悪くない、周囲や手続きに問題があったのだ」と言わんばかりの他責弁明のオンパレードに、議場はあっという間に凍りつき、そして静かな怒りの炎へと包まれていきました。
ハイライト③:ドヤ顔からの除斥退席 —— 電撃の「緊急動議」と消えた小倉議員
言いたいことをすべてぶちまけ、「以上、弁といたします」と演説を終えた小倉市議。
胸の内を晴らして、意気揚々と自分の議席へ戻ろうとした……その瞬間でした。
議長が「以上で小倉議員の発言は終了しました」と告げたコンマ数秒後、議場の静寂を切り裂くように、鋭い声が響き渡ったのです。
「議長!」
「6番、長浜成仁議員」
「小倉健一議員に対して、猛省を求める決議を動議として提出いたします!!」
議場に走る電撃!
「謝罪して終わり」と高を括り、ペラペラの弁明で逃げ切ろうとした瞬間、まさかのカウンターパンチが炸裂したのです。
「謝罪の形式だけでシャンシャンと終わる」はずだった予定調和の議場から一転、目の前で起きた前代未聞の大波乱に、議場には極限の緊張が走りました。神速で動議の成立を宣言した菅原議長も、張り詰めた極限の空気から、思わず「地方自治法第117……『号』の規定により!!」と条文の『条』を『号』と言い間違えてしまうほど(※正しくは地方自治法第117条です。それほど電撃的で緊迫した瞬間だったわけでございます)。議長は間髪入れずにこう言い渡しました。
「地方自治法第117条の規定により、小倉健一議員の退席を求めます」
地方自治法第117条――自らの処分や利害に関わる議事には参加できない「除斥(じょせき)」の規定です。
さっきまで壇上で大演説をぶっていた小倉市議は、自らの処遇を決める採決の場から、あっけなく議場外へと叩き出されることとなったのでございます。
ハイライト④:横塚議員の「※個人の感想です」サプリメント論法
小倉市議が退席し、長浜市議から決議案第2号「小倉健一議員に対して猛省を求める決議」の提案理由が説明されました。
「苦渋の決断ではございますが、小倉議員に対して猛省を求める決議を提出いたします。本件についての一定の謝罪は受け入れるものとしますが、政治倫理基準の違反に対して真摯に向き合ったとは認識できず、委員会の中で十分な発言の機会があったにもかかわらず、なぜ今になって新しい話をされるのか、理解に苦しむわけであります」
至極真っ当な提案理由です。
ところが、これに対して「待った」をかけるべく質疑に立ったのが、横塚剛市議でした。
ここからのやり取りが、実に味わい深いのです。
横塚議員
「小倉議員はちゃんと冒頭にも最後にも謝罪はしていると思うんですが、それはあくまでも個人の考え方の違いですかね? それによってこれを出すのはいかがなものかと思うんですが」
出ました! まさかの「個人の考え方の違い」論法でございます(笑)。
これに対し、長浜議員は冷静に「小倉議員が明確に『条例違反を受け入れることはできない』と発言されたため動議を提出しました」と回答します。
しかし、横塚議員は食い下がります。
横塚議員
「受け入れることが難しいとおっしゃってましたが、謝罪に対してはしてると思うんですけど、いかがですか」
(長浜議員:条例違反に対して謝罪がなかったと認識している、と答弁)横塚議員(3度目の正直)
「私は逆に、これで謝罪になっていると個人的には思うので、やっぱりそこは個人の感覚の違いではないかと思うんですが、いかがでしょうか」
……皆様、思わずテレビ画面の前でズッコケてしまいませんでしたでしょうか?
深夜の通販番組の片隅に小さく表示される「※効果には個人差があります」「※あくまで個人の感想です」という注意書きを、まさか市議会の公式な質疑でお聞きすることになるとは思いもよりませんでした。
「本人がごめんなさいと言っているのだから、謝罪に聞こえるかどうかは受け手のフィーリング(個人の感覚)の問題だろ!」という新理論。
もしそんな理屈が通るなら、スピード違反で捕まったドライバーが警察官に「私は反省してるつもりです! 違反切符を切るかどうかは警察官の個人の感覚の違いじゃないですか?」と言い訳するようなものでございます(笑)。
長浜議員から「個人の感覚、認識で結構ですが、一番肝心な条例上の違反に対して謝罪がなかったため動議を上げました」とピシャリと返され、サプリメント論法はあえなく撃沈と相成りました。
ハイライト⑤:議場の空気を引き締めた大義名分 —— 早川議員の賛成討論と可決の瞬間
質疑が終わり、いよいよ討論へ。
反対討論に立つ議員が誰一人現れない中、壇上に上がったのは早川貴光市議でした。
第二夜で「地獄のハメ技コンボ」を食らい、意見書騒動で一番ひどい目に遭っていた早川議員。
マイクの前に立った早川市議は、実に見事な弁舌を振るいました。
「はじめに申し上げますが、私は小倉議員が謝罪の言葉を述べた部分を否定するものではありません。また本決議は、議員辞職を求めるものでも、地方自治法上の懲罰を科そうとするものでもありません」
まず穏やかに前置きした上で、一気に本質へと切り込みます。
「問題は、その謝罪が政治倫理審査特別委員会の審査結果を正面から受け止めた内容であったかという点でございます」
「弁明する機会は委員会の中でしっかりと確保されていました。にもかかわらず、今になって新たな事実が出てくるようなことは、政治倫理委員会の冒涜になり得ます」
「そうした点を他責にした状態でいるということであれば、政治倫理審査そのものの根幹が揺らいでしまう。小倉健一議員に猛省を求める決議案に賛成いたします!」
見事なまでの正論、そして議場の空気を一気に引き締める堂々たる弁舌!
小倉市議の逆ギレによって議場に漂った不穏な空気を断ち切り、一気に大義名分を掲げて賛成の旗を振る。これぞ百戦錬磨の早川議員ならではの、議会の本質を突いた見事な賛成討論でございました。
そして、運命の採決。
議場内の電子表決システムにより、青(賛成)と赤(反対)のボタンが一斉に押されます。
議長「賛成多数であります! よって、決議案第2号は可決されました!」
議場に響き渡る可決の宣言。
逃げ切ったと思って議場を出された小倉市議は、「おい、決議が通ったから戻ってこい」とばかりに再び議場へ呼び戻され、自らに「猛省決議」が下された重い空気の中、ポツンと自席へ着席させられることとなったのでございます。
結び:市民が求めているのは「ドタバタ劇」ではなく「街の未来」
第一夜の「火種」、第二夜の「鑑識」、そして今夜の第三夜「延焼」。
3回にわたり、佐野市議会を揺るがした政倫審と意見書をめぐる騒動を追いかけてまいりました。
ちょっぴりユーモアを交えてお話ししてまいりましたが、最後に元市議として、真面目な思いをお伝えしなければなりません。
今回の本会議で改めて浮き彫りになったのは、「問題の本質から目を背け、説明責任を先送りし、不透明な文書や弁明でやり過ごそうとしても、結果として事態をより深刻な大延焼へと導いてしまう」という、政治の世界におけるあまりにも当たり前の教訓でした。
3年前に起きた公務でのトラブルを、その時に誠実に市民へ説明していれば。
特別委員会の場で、嘘偽りなく誠心誠意向き合っていれば。
そして本会議の壇上で、素直に非を認めて頭を下げていれば。
こんな泥沼のドタバタ劇で議会の貴重な時間を空費することも、議場の尊厳を傷つけることも、消防団の皆様を巻き込むこともなかったはずです。
私たち市民が市議会議員に託しているのは、控室での足の引っ張り合いや、不透明な文書をめぐる駆け引き、あるいは議場での果てしない言い訳合戦などでは決してございません。
人口減少、物価高、産業の活性化、子育て支援……佐野市には、一刻の猶予もなく真剣に議論すべき課題が山のように積み残されています。
今回の「猛省決議」という痛烈な結果を、当事者の議員はもちろんのこと、議会全体が重く受け止め、どうか今度こそ「市民のための、真っ当で誇りある議会」へと生まれ変わっていただくことを、一市民として心から強く願っております。
(政倫審シリーズ・完)
鈴木やすひろ

※本コラムは、佐野市議会公式中継・配信、会議録、および公開情報に基づき、一市民・元市議としての客観的な視点から市政の現状を論評・考察するものです。
※読者の皆様への分かりやすさと読みやすさを重視し、議事進行や各議員の発言趣旨を要約・再構成しております。正確な一言一句の全文記録につきましては、後日公開される佐野市議会の公式会議録および公式録画配信等をご確認ください。
佐野市議会政治倫理審査特別委員会:
https://www.city.sano.lg.jp/sp/shigikai/10/29074.html
佐野市議会議員政治倫理条例:
https://www.city.sano.lg.jp/sp/shigikai/10/21862.html
